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令和5年度 神原文庫資料展

R5ポスター
令和5年度(第25回)神原文庫展『「神原文庫」と香川大学初代学長神原甚造の人物像』

過去に開催された令和5年度(第25回)神原文庫資料展の展示資料を一部ピックアップし、紹介します。
※第1部、第2部、第3部、第5部の一部資料はデジタル化が完了していないため非公開としています。


《展示にあたって》資料展ちらしより

 「神原文庫」とは、香川大学初代学長神原甚造氏による収集コレクションである。
 史資料約1万2千点、所蔵本約1万6千冊を超える大コレクションである。コレクション成立には、明治・大正・昭和初期に日本の多くの文化財が市中に流出し、古書肆界が極めて活況であった社会状況も大きく関係している。
 一方、神原甚造氏は、自身でも『明星』に短歌の作品を断続的に掲載していた。また、文学関係資料や郷土香川県をはじめとした史料(歴史資料)の収集にはとくに力を入れていた。「神原文庫」の収蔵品の内容は多様であるが、とくにそうした人文学関係の史資料は点数といい、その内容といい白眉である。神原氏は人文学に強い関心を持っていた。
 今回の資料展では、神原氏自身の文学作品等とともに、文学関係・郷土香川県関する史資料等を紹介しながら、神原甚造氏の人物像にも迫り、「神原文庫」の成り立ちについて考えたい。

 香川大学教育学部教授 守田逸人


令和5年度(第25回)神原文庫展『「神原文庫」と香川大学初代学長神原甚造の人物像』

日程:2023年7月4日(火)~7月18日(火)
休室日:土・日曜日 入場無料
開室時間:9:00~19:00
(特別講演会開催日の7月11日(火)のみ20:30まで開室)
展示会場:香川大学図書館3階展示室
主催:香川大学図書館、香川大学大学教育基盤センター
監修:香川大学教育学部教授 守田逸人

【特別講演会 開催日時】
対象者:学生、一般
開催日時:7月11日(火)18:00~19:30
講師:香川大学教育学部教授 守田 逸人
場所:幸町北キャンパス OLIVE SQUARE 2F 多目的ホール
テーマ :「神原文庫」と香川大学初代学長神原基造の人物像

【関連企画展】

令和5年度 香川県立図書館展示
香川大学図書館企画
テーマ:「神原文庫」と香川大学初代学長神原甚造の人物像
会場:香川県立図書館 1階閲覧室 展示コーナー
開催期間:令和5年8月29日(火)~10月1日(日)
(ただし、香川県立図書館の休館日は除く)
主催:香川大学図書館
共催:香川県立図書館、香川大学博物館
協力:香川大学教育学部教授 守田逸人

令和5年度(第25回)出展リストと略解説.PDF

令和5年度(第25回)神原文庫資料展チラシ【表】.pdf

令和5年度(第25回)神原文庫資料展チラシ【裏】.pdf

 

第4部 神原文庫の貴重書

古筆手鑑

コヒツ テカガミ

①古筆手鑑(神原文庫本):1 帖

【『続目録』728.8/Z2/2111445841

一般的に「手鑑」とは、筆跡鑑賞のためにいくつもの聖教(経典)・歌書・消息などからその墨跡の一部を切り取って蒐集し、台紙帖に貼並べたものをいう。内容は、検討の余地があるものも含まれるが、いずれも歴史上著名な人物の墨跡ばかりである。

伊路波

イロハ

②伊路波:朝鮮版弘治5年((明応元年)1492 年) 1 冊

【『目録』829.1/1/2111124454】

訓民正音(ハングル)が公布されて間もない弘治5 年に、朝鮮人のための日本語学習書として刊行された書物。天下の孤本であり、朝鮮にも現存していない。

詠百首和歌

エイ ヒャクシュ ワカ

③詠百首和歌:藤原家隆建保3 年(1215) 寛正3 年(1462)写1 冊

【『続目録』911.138/Z1 / 2111445524】

藤原家隆は鎌倉前期の公卿で、新古今和歌集の撰者のひとり。展示品の中世後期の写本は、各諸本のうちでも最も古い部類の写本である。

[書状]

ショジョウ

④室町幕府14代将軍足利義輝御内書:戦国時代1 紙

【『続目録』古文書:(17)書状等1010/2111444503】

花押(かおう)から室町幕府13 代将軍足利義輝の書状であると判断される。内容は、駿河国へ(武田)信虎が下国することをうけて、水野山城守に道中の世話を命じている。

備中国哲多郡神代之内検地帳坪付打渡之事

ビッチュウノクニ テツタグン カミシロ ノ ウチ ケンチチョウ ツボツケ ウチワタシ ノ コト

⑤備中国哲多郡神代内検帳:天正19 年(1591)1 紙※「三戸家文書」のうち

【『続目録』古文書:(1)31/  2111443524 か25】

毛利家家臣三戸氏が保持した備中国神代村の所領の検地の内容を毛利家が認定した文書。

[書状]

ショジョウ

⑥毛利輝元安堵状:(戦国時代)年未詳8 月16 日1 紙※「三戸家文書」のうち

【『続目録』古文書:(1)80/2111443573】

安堵状とは、土地所有を保証する公文書。毛利家の当主毛利輝元は、領国内の三戸家の屋敷地の領有について、三戸藤左衛門が相伝することを保証している。

[書状]

ショジョウ

⑦毛利輝元感状:天正10 年(1582) 1 紙※「三戸家文書」のうち

【『続目録』古文書:(1)29/2111443522】

感状とは、合戦に参加した将士の戦功を賞して発出される文書のこと。三戸藤左衛門は、「桂左太」(桂左衛門太夫)に在番したことにより、二十貫の所領を与えられた。桂氏は、毛利家の重臣であり、三戸家は桂氏の配下で活動していたことがわかる。

[將軍家光朱印状]

ショウグン イエミツ シュインジョウ

⑧江戸幕府3代将軍徳川家光朱印状:慶安元年(1648)1 紙

【『続目録』古文書:(5)293/2111443786】

常陸国筑波郡吉田村熊野権現・鹿島明神に対し、同村分三石を寄付すること、別当寺光蔵院寺中の竹木所役の免除を命じている。現在神原文庫には、本文書をはじめ江戸幕府将軍の朱印状・判物が14 点確認できる。

第5部 神原文庫のいろいろ

シーボルト書状

シーボルト ショジョウ

③ヘンリー・ホン・シーボルト書状:(明治時代前期)9 月8 日1 紙

【『続目録』古文書:(17)書状等1027 2111444520】

  ヘンリー・ホン・シーボルトは、著名なフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトの息子。本書状の宛所である町田久成は東京国立博物館の設立に尽力した人物である。ここでは、町田久成に対し「考古学之為二」として自身の「著述告書籍」を進呈したことが記されている。

解體新書

カイタイ シンショ

④解體新書 4巻圖1巻 (存圖1巻):杉田玄白

【『目録』491.1/3 2111122994】